とことん美容皮膚科
難病の限局性強皮症に脂肪幹細胞移植が実用化されれば美容皮膚科で治療可能に

難病の限局性強皮症に脂肪幹細胞移植が実用化されれば美容皮膚科で治療可能に

強皮症は文字通り皮膚が硬くなる病気です。強皮症の中には全身性強皮症と限局性強皮症の二つがあり、どちらも治療の難しい難病です。

しかし両者には大きな違いがあります。前者は皮膚だけでなく内臓も硬くなる病気であるのに対し、後者は皮膚のみが硬くなり、内臓は侵されない病気です。
どちらの強皮症も原因がはっきりしていないのが現状です。

現段階での主な治療法はステロイドや免疫抑制剤などの塗り薬に留まっています。しかし最近では脂肪幹細胞移植という皮膚の再生医療の研究が進んでおり、この治療法は限局性強皮症に特に有効と言われています。ここでは脂肪幹細胞移植の有効性について解説します。

この移植法を説明する前に、まず幹細胞について知っておく必要があります。
幹細胞とはあらゆる細胞に変化することができ、かつ複製能力も持つ細胞です。そのため移植医療や再生医療に大変有効な細胞となっています。

脂肪組織を構成する脂肪細胞は、骨髄由来の幹細胞と酷似していることが研究で明らかにされました。脂肪から脂肪細胞を採取し、そこから脂肪幹細胞を作成することで皮膚移植が可能となり、皮膚が再生されるという仕組みです。脂肪は誰しも体内にたくさん持っています。
人間の体を解剖すると脂肪はそこら中にあると言われています。よって脂肪幹細胞は豊富に作成することができ、持続的な治療法としても期待されています。

限局性強皮症は皮膚が硬くなってしまう病気であり、一度硬くなると元の状態に戻すことはできません。しかし硬くなった部分を取り除き、脂肪幹細胞を移植することで新しい皮膚を再生することができます。
現在この移植法はまだ研究段階にあり、実用化はされていません。しかし今後研究が進み、この治療を受けられるようになれば限局性強皮症で悩む多くの方にとっては画期的な治療法となるでしょう。

美容皮膚科業界でもこの移植法は大変注目されており、いずれ美容皮膚科で施術を受けることができるようになるかもしれません。